相続分の譲渡

◇相続分の譲渡の意義
相続分の譲渡とは、各共同相続人が遺産分割前に自己の相続分を他人に譲り渡すことをいう。

◇相続分の譲渡の効果
①相続分の 譲受人は譲渡人が有していた共同相続人の地位そのものを取得する。
→譲渡を受けた者は遺産分割にも参加できる。
②相続分の譲渡人は共同相続人の地位を失い相続関係から離脱する。
※但し、相続債務は譲渡人・譲受人の双方が弁済の責任を負う(通説)。

◇譲渡された相続分の取戻し
①相続分の譲渡が相続人以外の第三者に対してなされたときは、他の共同相続人は、その相続分の価額及び譲渡の費用を償還して、その相続分を取り戻すことができる。
②譲渡人たる相続人は取戻しができない。
③相続人間でも譲渡はできるが、取戻しはできない。
④包括遺贈者に譲渡された場合も取戻しができない。
※包括遺贈者は相続人と同一の権利義務を有しており遺産分割にも元々参加できるため。