自筆証書遺言の作成が少しだけ楽に

自筆証書遺言について定めた民法968条1項は次のとおりです。

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

「自署」とは本人が手書きをすることです。ワープロで書くと自筆証書遺言として認められません。しかも「全文」を手書きする必要があります。

財産については前回紹介したように実に多くの情報があります。
・土地(所在、地番、地目、地積)
・建物(所在、家屋番号、種類、構造、床面積)
・株式・預貯金(金融機関名、支店名)

これだけの情報量だと書き損じも考えられます。その場合の修正方法は民法968条2項に定められています。

自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

修正の仕方を間違えたら「効力を生じない」とまでされています。
全文を手書きするだけでも大変なのに修正方法も厳しく定められています。

もう少し自筆証書遺言の作成にかかる負担を軽くしようと、財産目録をワープロによる作成する方法も認められるようになりました。不動産については登記簿謄本を添付する方法、預貯金は通帳のコピーを添付する方法も認められています。平成31年1月13日から、この方法による財産目録の作成が可能です。

ただし、注意点があります。
偽造防止のため、これらの財産目録には署名と押印が必要となります。
とはいえ、財産目録を手書きする代わりに登記簿謄本や通帳のコピーで済むのであれば負担が軽減されると言えるでしょう。